人工関節置換術

この一年間で人工関節置換術を施行された患者さんの割合を示しています。その内訳は以下のようなカテゴリーに分けて集計しています。

1. TKA:
  人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty)
<解説>膝関節を構成する大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨の表面を、プラスチ ックと金属で構成された部品に置き換えます。膝の動きとくに曲がりに制限がで ますが、痛みはほぼ完全にとれます。歩行や洋式の生活に不便はありませんが正 座やしゃがみ動作はできません。

2. THA:
    人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty)
<解説>股関節を構成する骨盤部(臼蓋)をおわん型のプラスチック部品に、大腿骨々頭部を金属で構成された部品に置き換えます。痛みはほぼ完全にとれます。関節の動きの制限も軽度で、歩行や様式の生活に不自由はありません。しかし、姿勢によっては脱臼の可能性があり、日常生活上制限があります。

3. TEA:
    人工肘関節置換術(Total Elbow Arthroplasty)
<解説>肘関節を構成する上腕骨と尺骨の表面を、プラスチックと金属で構成された部品に置き換えます。痛みはほぼ完全にとれ、屈曲と前腕の回旋が良くなり、洗顔、整髪、食事動作などが改善されますが、やや伸びが悪くなります。

4. TSA:
    人工肩関節置換術(Total Shoulder Arthroplasty)
<解説>肩関節を構成する肩甲骨関節窩の表面をプラスチック部品に上腕骨骨頭部を金属で構成された部品に置き換えます。痛みはほぼ完全にとれますが、腱板の断裂があると動きは良くなりません。長期成績も“緩み”の確率が高く、安定しているとはいえず、改良が続けられています。

5. 手指:
<解説>関節の軸を整え、安定性をあたえるシリコン性のダイナミックスペーサ ーの挿入が、近位指節関節、中手関節で行われます。周辺の腱のバランスを 整えたり、関節拘縮を緩めたり、手の外科の専門的な技術を必要とします。近年 成績が向上しています。

6. r-TKA:
    人工膝関節再置換術(Revision-Total Knee Arthroplasty)
<解説>人工膝関節は関節表面を人工部品に置換しています。稀ではありますが、 時間の経過とともに、人工関節と骨の間が“緩む”ことがあります。またプラス チック部品が削れ、削りくずに対する身体の反応の影響で骨が吸されることがあ ります。このような場合、関節を開けて、人工関節の入れ替えをしなければなら ず、これを再置換(Revision)といいます。人工膝関節の再置換はきわめて稀です。 ばい菌が入ったり、人工関節近くで骨折が起こったときも、再置換が必要になる ことがあります。

7. r-THA:
    人工股関節再置換術(Revision-Total Hip Arthroplasty)
<解説>人工股関節も、時間の経過とともに、人工関節と骨の間が“緩む”ことがあります。またプラスチック部品の削りくずに対する身体の反応の影響で骨が吸収されることがあります。このような場合、人工関節の入れ替えをしなければなりません。股関節は膝関節に比べると、再置換の頻度がやや高く、手術の負担も大きくなります。

8. r-TEA:
    人工肘関節再置換術(Revision-Total Elbow Arthroplasty)
<解説>人工肘関節も、マレですが時間の経過とともに、人工関節と骨の間が“緩 む”ことがあります。特に尺骨の部品のゆるむ確率が高いようです。このよう な場合、人工関節の入れ替えをしなければなりません。

9. r-TSA:
    人工肩関節再置換術(Revision-Total Shoulder Arthroplasty)
<解説>肩甲骨関節窩の表面プラスチック部品と骨の間が“緩む”ことが多く、長期成績は、まだ安定していません。再置換の確率の高い人工関節です。

10. r-手指:
<解説>近位指節関節、中手関節でおこなわれるシリコン性のダイナミックスペ ーサーには可動部がなく、やわらかいシリコンが曲がることで、関節の動きに対 応しています。しかも骨と接着していないため、シリコンと骨が絶えずこすれて います。5年から10年たつと、スペーサーの疲労破断や周辺の骨の吸収が高頻度 に生じます。しかし周辺の腱などの軸が安定化しているために、無症状で不便が ないため、あまり入れ替えを行なうことは少ないようです。必要な場合も、入れ 替えよりも関節形成術が選択されます。

11. その他